桜色オレンジ
「椎名さん、あれ浮気じゃないの?」
「そーだよ!黙ってていいの?」
「ていうか断らない櫻も悪くね?」
とクラス中大騒ぎになってしまった。
もちろんみんなの言いたいことは分かる。
けど、
「家では、紫花が絶対だから。わたしに権利はないの。」
そう言うしかなかった。
お昼休みが終わる頃、奏橙くんが戻ってきた。
みんなジロジロと奏橙くんを見るけど、誰も声をかけることはしなかった。
─── 放課後
「奏くん!帰ろ!」
「.....桃花ちゃんも一緒にいいかな」
「え?桃ちゃん?いいよ!帰ろ!」
そう言って奏橙くんと腕を組んで歩き出した。
わたしは、2人の後ろをついて行くようにして。
あともう少しで家に着く、って言う時だった。
「…っ、紫花ちゃん」
奏橙くんが口を開いた。