桜色オレンジ
「、桜庭くんいつもと全然違う」
「これがほんとのおれだよ」
「…じゃあ優しい桜庭くんはイツワリなんだ、みんなを騙してたんだね」
「別に騙してるわけじゃない。ゆーとーせーのおれも、素のおれも、おれには変わりない」
だるそうに壁によりかかりながら、こちらを見つめる桜庭くん。
「ていうかキスくらいで叩くなよ、暴力はんたーい」
「桜庭くんにとっては"キスくらい"かもしれないけど、わたしにとっては大事なの!!」
「え、なにもしかしてハジメテだった?」
「別に初めてじゃないし!!!」
「じゃあいいじゃん、そんなに怒らなくても」
桜庭くんにとっては軽いものかもしれないけど、わたしにとってはすごく大事なこと。
それをこんな人とするなんて…自分が許せない。