桜色オレンジ
ずっと好きだった桃花ちゃんと、やっと付き合えた。
双子の…いや同い年姉妹の紫花ちゃんが海外に行って、おじいさん家に預けられてから桃花ちゃんの笑顔が増えた気がする。
この幸せが続けばいい、そう思っていたのに。
【紫花が帰ってきた】
そのメールを見た時、心臓が変な音を立てた。
"紫花"って、あの紫花ちゃん…だよね。
なにか、返事をしなきゃいけないのに何も思い付かない。
僕はせっかく手に入れた幸せを手放さなければいけないのか…?
返事を考えているうちに寝てしまい、結局返せなかった。
月曜日、紫花ちゃんはほんとうに帰ってきていた。
「奏くん!久しぶり!私のこと覚えてる?」
「うん、もちろんだよ」
どうして、帰ってきてしまったの?
周りの人が冷たい目で僕を見ている。