桜色オレンジ


休み時間もずっと、紫花ちゃんは僕のところへ来る。
桃花ちゃんと話がしたいのに。

放課後も一緒に帰ろうと誘ってきた。
言うならここしかない。そう思って、桃花ちゃんも声をかけた。

「へぇ、そうだったんだぁ!それなら早く言ってよねぇー!」

怒られると思っていたから、意外な反応で少し驚いた。
けど、分かって貰えたみたいで良かった。




─── その裏で桃花ちゃんが酷い目にあってるとも知らずに。



*




*




もうすぐクリスマス。付き合って初めてのクリスマスだからなにかプレゼントしたいと思って、ショッピングモールに買い物に来ていた。

今までのお年玉やお小遣いで、桃のモチーフのネックレスを買った。


「桃花ちゃん、喜んでくれるかな?」


けど、まさかあんなことが起こるなんて。
< 116 / 185 >

この作品をシェア

pagetop