桜色オレンジ
「私もね、奏くんのことずっと、ずっと前から好きだったんだよ」
「…え?」
「奏くんに釣り合う女の子になりたくて、海外に行ったの。
勉強もスポーツも、頑張ろうって思って。
奏くんと同じ高校に行きたかったから、戻ってきたんだけどね」
「…」
紫花ちゃんが、僕のことを好き…??
「......でも、行かなきゃ良かったかな。
私も初めから桃ちゃん達と同じ学校に通っていたら、今頃奏くんと付き合えてたのかな?」
僕のために、わざわざ海外にまで行った…?
いや、仮に同じ学校に初めから通っていたとしても僕は桃花ちゃんのことが好きだ。
「…ごめん、僕は桃花ちゃんのことが好きだから」
「うん、分かってるよ。ごめんね、迷惑だよね
そのプレゼント喜んでくれるといいね」
「…うん、ほんとにごめん」
気まずい空気が流れる。けど、これが僕の気持ち。