桜色オレンジ
「いーのいーの、でも諦めが付くまでは好きでいてもいい?」
「…うん」
「ありがとう、奏くん」
その後は紫花ちゃんのおかげで重い空気はなくなり、他愛もない話をして家に向かっていた。
「あ、桃ちゃーん!」
「っ、紫花。それから…奏橙くん」
桃花ちゃんは最近僕を避けているような気がする。
理由は分からないけど…。
「桃ちゃんも今帰り?」
「うん、図書館に行ってたの」
「そうなんだ、偉いね!」
僕が持っているプレゼントに触れないでくれて少し安心している。
こういうのは先に言ったらサプライズにならないからね。
「じゃあ僕はこの辺で、また学校で───」
「っ、奏くん!危ない!!」
言い終わる直前で、紫花ちゃんが僕を突き飛ばした。
「…え?」
突き飛ばした時の紫花ちゃんは、なぜか笑っていた。