桜色オレンジ


───ドォン…


地べたに座り込んだ僕の目の前に、車が止まった。
止まったというか、電柱にぶつかったと言った方が正しい。


車の近くには倒れ込む人が。
その人が紫花ちゃんだと理解するのに時間がかかった。


「うそ…紫花…?」


顔が真っ青になっている桃花ちゃんを見て、状況を理解した。





.




.



「手術は成功しましたが、とても危険な状態です。
仮に意識が戻ったとしても、歩けるかどうか…。」

「うっ.......紫花ちゃん…」

「母さん…」


病院に運ばれ、紫花ちゃんは手術を受けた。
今は集中治療室にいる。


僕も診察を受けたけど、かすり傷程度だ。
そんなことよりも…。


「すみません…っ、僕のせいで…僕を庇って、紫花ちゃんが…。」

「奏橙君…、君はどこも怪我はしていないのかい?」

「、はい紫花ちゃんのおかげで…」

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