桜色オレンジ
「奏橙君が無事でよかった。…が、この事故は君のせいでは無いが今は少し顔を合わせるのが辛い。今日は帰ってもらえるかな」
「…っ、はい。すみません」
「桃花、お前も帰れ」
「…うん」
病院から家に帰るまで桃花ちゃんとは一切話さなかった。
何を話せばいいのか、分からなくて。
「…じゃあ、また」
「うん、またね」
気まずい雰囲気のまま、家に帰った。
あとから聞いた話だとあの事故にあった車の運転手は飲酒運転だったらしい。
犯人は逮捕されたけど、そんなことはどうでも良かった。
*
*
事故に遭ってから3日後のこと。
「…っ、紫花ちゃん!?」
「…かな、くん?」
紫花ちゃんが目を覚ました。