桜色オレンジ



「…奏橙くん」


病院のロビーで桃花ちゃんに会った。
この前会ったばかりなのに、久々に会った感じがする。


「ちょうど良かった、奏橙くん少しいいかな」

「…うん」


僕も桃花ちゃんと話さなきゃいけないことがある。
そしてこの先どうするか、も。


「…」


しばらくお互い無言だった。話さなきゃと思っていても、いざ本人を前にすると言葉が出ない。


「桃花ちゃ…」

「奏橙くん、別れよう?」

「…え?」


こうなることは分かっていたはずなのに。


「奏橙くんは、責任を感じて紫花といると思うの。
それでね、ここ数日で色々考えたんだ。」

「、なにを…?」

「わたしの、奏橙くんに対する"好き"は、幼なじみとしてのものだったって 」

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