桜色オレンジ
「だから奏橙くんの"好き"とは違う」
「…それなら……、どうして泣いてるの?」
「……それに気付くのが、遅かった。」
「桃花ちゃん…っ!」
桃花ちゃんを力いっぱいに抱き締めた。
今までにないくらいの力で。
離したら、桃花ちゃんがどこかに消えてしまいそうで。
「奏橙く…んっ」
「桃花ちゃん、すき……」
「んんっ…」
今まで、キスなんて数える程しかしてなかった。
けど今は桃花ちゃんを離したくない。その一心だった。
「……さようなら、奏橙くん」
桃花ちゃんに胸を軽く押され、離れたと同時に桃花ちゃんは走って行ってしまった。
「…桃花ちゃ……っ」
クリスマスの前日、僕の初恋は終わった。