桜色オレンジ



三学期が始まった。
桃花ちゃんと久々に会ったけど、避けられている。


そりゃそうだ、僕のせいで別れることになったんだから。
あの時事故に会ったのが僕だったら、別れずに済んだのかな…?


「…ん!」
「……くん!」
「奏くんってば!!」

「っ、あぁ、なに?」

「なに?じゃないよ、私の話聞いてるの?」

「ごめん聞いてなかった」


最近ボーッとする時間が増えた。
桃花ちゃんのこと、紫花ちゃんのこと…それから3年生になるから受験のこと…色々と考えてしまう。


「奏くん最近上の空じゃない。私には奏くんしかいないのにその奏くんがそんなんじゃ私どうしたらいいの?」


学校が始まってからというもの、紫花ちゃんの態度も少しずつ変わってきた。

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