桜色オレンジ
「ごめん、色々考えちゃって」
「奏くん、全然私の方見てくれないよね。」
「…え?」
「最初は事故の償いとしてそばに居てくれればいいって思ってたけど、桃ちゃんと別れたにも関わらずずっと奏くんの中には桃ちゃんだけ。どうして?!」
そう言ってベッドの上の枕を僕の方へ投げつける。
「桃ちゃんと別れたなら私の方を見てよ!!」
「紫花ちゃ…」
「私のそばにいてくれるって言ったでしょう!?」
「…うん」
きっと、今もこれからも僕が好きなのは桃花ちゃん1人。
それはこの先も変わらない。
「ねぇ奏くん、キスしてよ」
「はっ…?」
「そうしたら今は許してあげる。"今"はね?」
この状況を回避する為に、それで済むなら……
ゆっくりと紫花ちゃんに近付く。