桜色オレンジ
「で、結局椎名さんは櫻のことどうするの」
「どうするも何も、もう何もないよ。」
桜庭くんに全てを打ち明けてから、わたしは本当に奏橙くんが好きなのか考えるようになった。
もちろん昔は好きだった。幼なじみとして。異性として。
だけど今は?今も、好きかどうか聞かれたら正直分からなくなってる。
「なんか…、好きかどうか分からなくなっちゃって」
「……」
「だけど奏橙くんを好きなままでいても辛いだけだし、逆にちょうど良いのかも」
「そう、か。……看板塗り終わったから、これ外で乾かしてくる」
「うん、行ってらっしゃい」
桜庭くんは看板を担いで教室から出ていった。
と同時にクミちゃんが後ろからすごい勢いでぶつかってきた。