桜色オレンジ
接近
───どれくらいの時間が経ったんだろう。
静かな保健室で時計の針の音だけが響き渡る。
外からは騒がしい声が聞こえるけど、桜庭くんはまだ戻ってこない。
「桜庭くんのばか…、1人にしないでよ……」
紫花に会ったからなのか、すごく気持ちが弱ってる。
一人でいると、おかしくなりそう。
「…早く戻ってきて……」
「…っ、ごめ……」
桜庭くんが顔を赤くしてカーテンを開けた。
うそ、もしかして今の聞かれてた…??
「えっ、今もしかして…」
「うん、ごめん…」
桜庭くんの顔が更に赤くなる。
どうしようすごい恥ずかしい!!!
「いや、あの、ごめんなさい」
「んーん、おれの方こそ遅くなってごめん
まさか椎名がそんなこと言うとは思ってなくて」