桜色オレンジ



─── あの日…


椎名が文化祭で倒れて保健室に運んだ後、椎名が食べたいと言っていたじゃがバターを買いに行った時のこと。


行列に並ぼうとした時だった。



「…っきの、なに?どういうことなの!?
もしかして奏くん、今も桃ちゃんの事が好きなの…?」

「、それは」

「ひどい、ひどいよ奏くん。いつになったら私の方を見てくれるの?」

「……」

「桃ちゃんなんかのどこがいいの?あんな、何も出来ない良いところもない、さっきみたいに倒れて人の気を引こうとするような、そんな子なのよ?」

「紫花ちゃ…」



「そういうとこだと思うけど?」



黙って聞いていられなくて、思わず出てしまった。
けど、椎名だけを悪者扱いするのを聞いてられなかった。

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