桜色オレンジ



本当のこと、つまり父親違いだと言うことを話したってことだよね…?


「"しま"はそれで、今まで自分だけ知らなかったこと、橙樹だけがそんな扱いをされることはおかしいって言ったらしい」

「……はい」

「それで一昨日、学校が終わったあと橙樹を実家に帰るように説得しようと"しま"が来たんだ」

「…はい」

「マンション近くで会えたみたいなんだけど、その時に信号無視して来た車に"しま"が轢かれそうになって……、橙樹は庇ったんだ」

「……っ!」


一瞬、紫花が奏橙くんを庇った時のことが頭を過ぎった。
急に目の前がぐらっと揺れた。


「それで…桜庭くんは、」

「頭を縫う大怪我はしたけど、命に別状はないよ」

「そう、ですか」

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