桜色オレンジ
「椎名サン、桜庭、どう?」
「あ…橘くん、眠ったままだよ」
さっきまで席を外していた橘くんが部屋に戻ってきた。
「まさか、桜庭に双子の妹がいたなんて知らなかった
それから事故にあったことも……」
「うん…」
橘くん、桜庭くんとよく話してるイメージだったから知ってると思ってた。
「どうする?まだいる?」
「ううん、そろそろ帰ろうかな、また明日にする」
「うん、じゃあ途中まで送るよ。」
「ありがとう、桜庭くんまた明日」
桜庭くんに声をかけて、橘くんと病室から出た。
未だに心臓が変な音を立てている。
どうか、桜庭くんが目を覚ましますように────