桜色オレンジ
「橙樹、好きなコとデートする為に勉強も頑張ってたみたいだからさ、橙樹を大事にしてあげて欲しい。」
「……」
わたしがこの間言った、テストで1位とったらデートするってやつだ…。
そう言えば、1位になってから桜庭くんと話せてないや。
「、はい」
「ありがとう。じゃあ俺たちはこの辺で」
七瀬さんが軽く頭を下げて、桜瀬さんと病院から出ていった。
わたしはもう一度、桜庭くんがいる部屋に向かった。
「…っ、桜庭くん?」
病室に戻ると、桜庭くんが目を覚ましていた。
「ん?ああ、椎名か」
意外にもアッサリとした返事をするから、思わずムッとしてしまった。
「ああ、椎名かじゃないよ!馬鹿…」