桜色オレンジ



先生達から軽い診察を受けて、わたしと桜庭くんの2人になった。


「こんな姿椎名に見られるとか……かっこわる」

「…無事で良かったよ、ばか」

「バカバカうるせーよばか」

「桜庭くんだって、ばかって言ったじゃん」


桜庭くんの目が覚めてホッとしたのか、涙が一気に溢れてきた。
それと同時に、オレンジの匂いに包まれた。


「ごめん、心配かけて。ほんとーはアオイとチヒロちゃんが来た辺りから起きてたんだけど、面白いから寝たフリしてた」

「…っ、ばか!!」


さっきの会話が聞かれてたと思うとすごく恥ずかしい…。


「ね、今更だけどおれテスト1位だったんだよ。退院したらデートしてくれるよね?」

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