桜色オレンジ



「……生徒会長?」


「、は?」


「椎名の好きな人」


「なん、で奏橙くん、なの…?」



桜庭くんの口から奏橙くんの名前が出てくると思わなくて変な話し方になっちゃう。わたし焦ってるな。



「ふーん……"奏橙くん"、ね」



桜庭くんはニヤリと笑ったあと何も言わず制服のポケットからスマホを取り出した。



その後は何も話しかけてこなかったから、わたしからも話しかけることはしなかった。




*





*




「桃花ー、かえろー!」



放課後、クミちゃんがバッグを持ってわたしの席まで呼びに来てくれた。



「いいなぁ桃花、桜庭の隣だなんて!羨ましい!」



クミちゃんは桜庭くんの裏の顔を知らないからそんなこと言えるんだよ…でも、ほんとのことなんて言えないし…


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