桜色オレンジ
ぜろぱーせんと
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「しーいーなー」
「…」
「椎名さーん?」
「…」
「おい無視すんなよ桃花」
「…っ、だから!」
急に名前で呼ばないで欲しいんだけど…!!
ていうか授業中なのにめちゃくちゃ話しかけてくるじゃんこの人!!
「聞こえてんなら返事しろよ、バカ」
「バカ!?わたしはマジメに授業受けてるだけです!」
「別に教科書読んでればテストなんか点取れるだろ」
やっぱり頭のいい人が言うことは違うね。
先生の話聞いてても頭の上にはてなマークが出てるって言うのに。
「頭のいい桜庭くんとは違うの!」
「じゃあおれが勉強教えてあげよーか?」
そう言って桜庭くんはニヤリと笑った。
あぁ、これきっと何かしら悪いことを考えている時だ。
「え、エンリョします」
「じゃあ生徒会長さんに教えてもらうの?」
生徒会長…奏橙くんは生徒会の仕事もあるし塾にも行ってる。
わたしに勉強なんて教えてる暇なんてない。
それに……