桜色オレンジ
「とりあえず保健室でお腹あっためてくる…
それでダメなら薬もらおうかな」
「分かった、1人で行ける?一緒に行こうか?」
「ううん、大丈夫。ありがとうクミちゃん」
動くと痛みが倍増するなぁ…
でも保健室までは頑張らなくちゃ。
階段を降りればもう保健室はすぐそこ。
…だけど階段の手前で痛みが強くなってきた。
「…っ」
あまりの痛さにその場に座り込んだ。
素直にクミちゃんから薬貰って飲んでおけばよかった。
少しでも痛みが和らいだら、行こう。
「…っ、椎名大丈夫か!?」
後ろから、桜庭くんの声がした。
そしてすぐにわたしの元へ駆け寄ってきた。
「さくら…ばくん?」
「授業中から体調悪そうだったもんな、保健室行くところ?」
「…、うん。お腹痛くて」
「立てるか?一緒に……」
「────桃花ちゃん?」
桜庭くんの言葉を遮るように、奏橙くんの声がした。