桜色オレンジ
仲がいいだなんて、それは絶対ない。
ただ、桜庭くんの煙草のことを黙っている共犯者なだけ。
「席が隣で…、授業中からお腹痛かったから、それで心配して声掛けてくれただけだよ」
「そっか…。出来れば、もう桜庭には関わらないでほしい。」
奏橙くんの表情が少し険しくなった。
理由を聞きたいけど、その前に保健室に着いてしまった。
保健室のドアを開けると複数のカップルが集まっていた。
奏橙くんの顔を見るなり慌てて保健室から出ていった。
何も発しなくても、この圧と言うか…オーラ?が奏橙くんにはあるんだな…。
「ここのベッド使おうか、僕は湯たんぽ用意するね」
お昼休みなこともあって保健の先生はいなかった。