桜色オレンジ
「じゃあ桃花またあした!」
「うん!またあした!」
わたしは電車通学、クミちゃんは自転車通学のため途中で別れた。
時刻はもうすぐ18時になるところ。
電車あるかな…?とスマホをポケットから取り出した時だった。
「おねーさん1人?」
と、黒い服を来た人達に挟まれてしまった。
右側にいる黒マスクをつけた人がわたしの肩に腕を回す。
指にはゴツゴツとした指輪がたくさん付いている。
耳にもジャラジャラとピアスが付いているし……
「オレ達とお茶でもどう?」
左側にいた人がわたしの髪の毛に触れた。
怖い。どうしよう。声が出ない。
「あれれ、キンチョーしてる?」
黒マスクの人がわたしの顔を覗き込む。
怖い、誰か助けて……
「そのコ、おれのなんだけど。
汚い手で触らないでくれる?」