桜色オレンジ
声がした方をむくと、桜庭くんが立っていた。
…けど、なんだかいつもと雰囲気が違う。
だけどそんなことを考えてる余裕なんてなかった。
「あ?誰だテメェ」
黒マスクの人が食い気味に話しかける。
もう一人の人はなぜかすごく焦っているようだった。
「ヤバいっすよ、あいつ桜庭ですよ、桜庭橙樹」
「なっ、こいつが?!」
2人の会話についていけないまま、桜庭くんがどんどん近くに歩み寄ってくる。
「2人で会話すんのは良いけどさあ、早く消えてくれる?
……じゃないとただじゃおかねぇよ」
「すんませんでしま!!」
2人は噛み噛みになりながらその場から走って逃げていった。
「……ありがとう、桜庭くん」
「、へーき?」
「…うん」