桜色オレンジ
しまは、別に頭悪いって言うわけでもなく、普通くらい。
ちょっと勉強すればさっきのテスト結果みたいに高得点は普通にとれる頭は持ってる。
運動も、球技系は得意って言ってたし。
ただ走ることは苦手だって言ってたけど。
この違和感が確信に変わったのは、おれが小学校6年生になった頃。
─── パンッ
「…え?」
突然、泣きじゃくった母親に平手打ちをされた。
「…母さん、なんで…?」
「"母さん"なんて呼ばないで!!なんで……どうして……っ、」
「どうしたんだい!?」
ちょうど、父親が帰ってきた頃だったから、助かった。
状況を把握した親父がおれの方へ歩み寄る。
「……橙樹くん、少し、話をしようか」