桜色オレンジ
父親と2人で、ファミレスにやって来た。
「好きなもの頼みなさい」
「…、それより話ってなに」
自分でも達観してるなあ、と思った。
早くさっきのことの理由が知りたかった。
「……、橙樹くん、君は、父さんの子供じゃないんだ」
「……そう。」
別に、驚かなかった。
あぁそうなんだって、他人事にしか思わなかった。
「じゃあおれは誰の子供なの?」
「父さんと母さんは、お見合い結婚でね。橙樹くんは父さんと結婚する前に付き合っていた人の子供なんだ。」
「へぇ、しまは?」
「しまは、父さんの子供だよ」
おれとしまは父親違いの双子だった。
結婚する前日に体の関係を持って出来たのが、おれ。
結婚後に出来たのが、しま。
それが運良く双子として、おれらは生まれてきた。