桜色オレンジ




父親と2人で、ファミレスにやって来た。



「好きなもの頼みなさい」


「…、それより話ってなに」



自分でも達観してるなあ、と思った。
早くさっきのことの理由が知りたかった。




「……、橙樹くん、君は、父さんの子供じゃないんだ」




「……そう。」




別に、驚かなかった。
あぁそうなんだって、他人事にしか思わなかった。



「じゃあおれは誰の子供なの?」


「父さんと母さんは、お見合い結婚でね。橙樹くんは父さんと結婚する前に付き合っていた人の子供なんだ。」


「へぇ、しまは?」


「しまは、父さんの子供だよ」




おれとしまは父親違いの双子だった。
結婚する前日に体の関係を持って出来たのが、おれ。
結婚後に出来たのが、しま。



それが運良く双子として、おれらは生まれてきた。


< 45 / 185 >

この作品をシェア

pagetop