桜色オレンジ
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「落ち着いた?」
「…うん、ごめん」
「いーよ、ただちょっとびっくりしたけど」
あの後ずっと涙が止まらなくて、桜庭くんに背中をさすってもらってどうにか落ち着いた。
「椎名もうコレ飲まない?」
半分くらい残ったオレンジジュース。
せっかく貰ったから飲みたいけど、わたしが飲んだら桜庭くんの分はないし…
「のま……ない、ごめんね」
「ん、じゃあ飲んじゃうわ」
そう言って残っていたオレンジジュースを一気飲みした。
さっきも思ったけど、やっぱり間接キス…
「桜庭くんは、間接キスとか、気にしないの?」
「椎名だから気にしない」
わたしだから気にしないって言うのが、ちょっとよく分かんないんだけど…。