桜色オレンジ
確かに…好きな食べ物があるのに食べちゃダメって言われたら辛いよね。
「椎名は、信頼出来るから渡した」
「…そ、うなんだ」
そうやって言ってもらえるのはなんだか嬉しいな。
「でもあれ開けたばっかりじゃん」
「見たんだ?」
「うん…いいの?」
「いーよ、椎名が代わりにキスさせてくれればね」
「なっ…」
昨日も何だかんだでキスしてきたくせに…!!
断らなかったわたしも悪いんだけど!!
「…あっ」
「桜庭くん?」
桜庭くんはスマホの画面を見て、一瞬険しい表情をしたあとそのまま教室から出ていってしまった。
「桃花〜おはよう〜」
「クミちゃん!おはよう」
「なんか朝から櫻はセカセカと仕事してたよ」
「そうなんだ…」
奏橙くん…生徒会の仕事が忙しいんだろうな。
もうすぐ文化祭だから、その準備に向けてのことかも。