桜色オレンジ
「……とりあえず、ありがと。昼まではここで寝てるつもりだから、昼休み呼びに来てくれる?」
「うん…、でもお昼休みも熱下がってなかったら、帰った方が…」
「やだ、まあよろしく」
そう言って桜庭くんは布団を頭まで被ってしまった。
わたしも早く教室に戻らないと…。
*
*
休憩時間、クミちゃんが真っ先にわたしのところへ来た。
「桜庭、大丈夫なの?」
「ううん、高熱出てるんだけど、帰らずに寝てる」
「はあ!?バッカじゃないの?」
「お昼休み呼びに来てって言ってたから、午後の授業は出るつもりなのかも。」
「桃花、それはダメよ。何としても桜庭を帰すのよ」