桜色オレンジ
気持ち
「へーき、それよりさ水欲しいから取ってきてくれない?
そこのウォーターサーバーのやつでいいからさ」
「う、うん」
紙コップに水を入れて桜庭くんに手渡す。
渡した時に少しだけ触れた手が、ちょっとだけ熱かった。
「ん、水ってたまに飲むと美味しいよね」
「えっ、あ、うんそうだね」
「椎名はさ、いつから生徒会長のこと好きなの」
「えっと…いつからって……」
話の流れが急すぎて変な声が出てしまった。
いつからって言われても、気付いた時にはもう好きだったから…。
「わたしと奏橙くんは、幼なじみで…小さい頃から一緒に居たからその時からだと思う」
「ふーん……」
自分から聞いてきたくせにすごい冷たい反応。
やっぱり桜庭くんってよく分からない。