桜色オレンジ




「桃花ちゃん、おはよう」



「…っ、おは、よう」



重い足取りで学校に行くと下駄箱で、会いたいけど、出来れば会いたくなかった人に会ってしまった。



「桃花ちゃん今日早いね」



「…早くに目が覚めちゃって」



「そっか、僕は早く来て勉強しようと思って。
……じゃないと追いつかなくなるから」



彼は櫻 奏橙(さくらかなと)くん。
わたしの幼なじみであり、元カレでもある。



2年生にしてこの学校の生徒会長を務めている。
わたし達の通う南高はここら辺では治安が悪いと有名な高校だ。



ヤンキー、暴走族、そんなガラの悪い人達が集まっている。
3年生は問題児ばかりで生徒会が機能しないと先生方の判断により、2年生である奏橙くんが選ばれた。




聞いた話では、桜庭くんも生徒会に誘われたけど断ったとか。


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