桜色オレンジ
「奏橙くんは毎回、テスト1位だもんね……」
「たまたまだよ、毎回2位のヤツと接戦だし」
奏橙くんはいつもテストで1位をとっている。
それくらいには頭がいい。だから本当はこんな治安の悪い高校にいるべき人じゃない。
でも、ここに居るのはきっと、いや絶対わたしのせい。
「じゃあ、桃花ちゃんまた」
「…うん」
奏橙くんとはクラスが別なので途中の廊下で別れた。
わたし、上手く笑えてたかな。
「桃花ー!おはー!」
「クミちゃん、おはよう」
「ねーね、もしかして…??」
「……違うよ、そんなんじゃない」
教室に着くなり声を掛けてきてくれたのは親友の、
安東クミ(あんどうくみ)ちゃん。
高校に入ってから仲良くなったんだけど、わたしと奏橙くんが付き合っていたことを唯一知っている人。