桜色オレンジ




「ちぇー、なんだあー。てっきり2人で歩いてたからヨリ戻したのかと思った」



「わたしと奏橙くんはこの先ずっと幼なじみのままだよ」



「…なんで桃花だけ、そんなに苦しまなきゃいけないんだろ」



クミちゃんはさっきまでの笑顔がなくなり、悲しそうな表情をしていた。



「ありがとう、クミちゃん。わたしは平気だよ」



「うん…、っあ!見てみて桜庭来たよ!!」



イケメン好きなクミちゃんは桜庭くんが登校してくるなり一気にテンションが上がった。



まあ、この不良校の中では桜庭くんはイケメンの部類に入るんだろうけど…。



ん?待てよ、桜庭くんと言えば…



「そうだクミちゃん、あのね、桜庭くんなんだけど」



「え?桜庭がなに?」



「実はき──…」



「おれが、何だって?」



気が付けば桜庭くんがわたしの隣に立っていた。
しかもとても綺麗な笑顔を貼り付けて。

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