桜色オレンジ



「てか、あれだな。椎名にも家バレちゃったな」

「…あっ」

そう言われればそうだ。
しまさんの事で頭いっぱいでそんなこと気にしてなかったけど…。

「あーもう、ほんと気にしなくていいから!」

それと同時にオレンジ系の匂いに包まれた。
わたし、今桜庭くんの腕の中にいる?

「怒って…ないの?」

「最初から怒ってない」

「でも、怖かった」

「しまだったから良かったけど、知らない人に道案内平気でする椎名に不安を感じただけ」

「うっ、ごめんなさい」


桜庭くんほんとに怒ってない…みたい?
変に気を使わせてしまって申し訳ない…。



「ねぇ、椎名」

「なに?」

「最近さ、ヤバいんだよね」

「なにが?」

「キスしていい?」
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