桜色オレンジ


「…じゃあこれは僕の方から先生に伝えておきます。ではこれでお開きとします、ありがとうございました」

『ありがとうございましたー』


ぞろぞろと生徒会室からみんな出ていく。


「椎名、行こ」

「う、うん」


チラッと奏橙くんの方を見ると、なぜか奏橙くんもこちらを見ていた。


「…っ」

「やっぱり、桜庭の方が発言力があるんだな…」

「…え?」

「椎名ー行くぞー」


どうやら桜庭くんには聞こえていなかったみたい。
先に生徒会室から出て行ってしまった。


「…桜庭くん待って…っ」

気まずくなり、桜庭くんを追って生徒会室から出ていった。


*




*



「す、すごいね桜庭くん」

「なにが?」

教室に戻ってきてすぐ。
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