桜色オレンジ



「桜庭くんが言ったらみんな納得したじゃん」

「そう?別におれは自分の思ったことを言っただけ。」

「でも…」

「櫻は人前に立つことはできても周りを変える力はないよ」


その言葉に何故か納得してしまう自分がいた。
わたしを好きだと言っても、それを紫花や両親に言うことは無い。


結局その程度なんだって、思っちゃう。
わたし最低だな。


「でも桃花はあいつが良いんだもんね」

「…それは」

「あんな、ただ優しいだけの人を好きでいても辛いだけだと思うけど」


その言葉がグサッと来た。
"ただ優しいだけの人"そう言われればそう。


「あはは、確かに.......」

「…ごめっ」


桜庭くんが目を見開いて立ち上がるから何かと思えば、頬に冷たいものが滴るのを感じて自分が泣いてることに気づいた。

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