影がいるから私がいる
私達が入ると、お父さんは仕事を中断して待っていてくれた。


「よく来たね…まぁ座りなさい…。」


お父さんの言葉に私達は応じ、お父さんと向かいあう形で座った。


私達が話そうとしたら、お父さんが話し始めた。

「海希、相賀君…君らの様子を見れば、言いたい事も想像がつく…。
しかし…それは認められない…。」


お父さんの言葉に私が噛み付いた。


「何で!?
ちゃんと納得出来る理由を話してよ!!」


私の抗議にお父さんは変わらず、落ち着いて答えてきた。


「海希…いや海希だけじゃない…。相賀君も結ばれる相手は決まっているのだよ…。」


お父さんの突然の告白に、私は慌ててりっちゃんの方を見た。

りっちゃんも訳が分からないといった顔をして私を見ていた。


私達が混乱していると、お父さんがさらに場を混沌に陥れた。


「二人共…二人は二十歳になったら、自分の影と結ばれる…。」


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