影がいるから私がいる
何故かは分からないが、その後生まれた子供たちも全て原因不明の病で亡くなってしまった…。


当時の村長は、沙楽国国王に事態の異常さを訴えた…そして宮廷祈祷師に勅命がくだされ、原因を探った。


原因は結局解らなかったらしいが、祈祷師は一つの解決策を村長に持ち掛けた。


それが呪術により影を実体化させ、子を成すというもの…他の誰かとの子供が死んでしまうのだから、自分自身といえる影との子供なら病で亡くなる事は無くなるのではないかと…


試みは成功した…生まれた子は病に倒れる事なく、現在に至るという訳なのだ…」


お父さんの説明を聞き、私は絶句した…。


…原因不明の病?呪術による影の実体化?

えっ…じゃあ結局、私はりっちゃんと結ばれないって事…?


現実を受け止め切れない私が放心してしまっていると、りっちゃんがお父さんに話しかけた…。


「村長…僕達に外出許可証と沙楽の都…【神留無(かるな)】への入場許可証を発行してもらえませんか?」


私が「?」って顔をしてたら、お父さんがりっちゃんに聞き返した。


「発行するのは構わないが…神留無に行ってどうするのだ?」


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