影がいるから私がいる
「未来を知りたいと思うのは当然の事…気にする事は無いんだよ。」


大婆様の言葉に私は頷いた。


「はい…。」


すると、私の横に居たりっちゃんが大婆様に質問をした。


「大婆様…過去に僕達のように、影の呪術を解こうとした人は居なかったんですか?」


りっちゃんの質問に大婆様は首を横に振った。


「居なかったね…。
今までは呪術の影響か、影と結ばれると聞いても、皆違和感すら持って無かったよ…。

あんた達の代に来て、呪術の効果というか、影響をそれほど受けなくなったようだね。」


「そうなんですか…。」

数瞬の沈黙が場を支配した時、大婆様が口を開いた。


「二人とも。そろそろ出ないと、次の村に行くまでに夜中になるよ。」


大婆様にそう言われ、私とりっちゃんは慌てた。

「え、もうそんな時間なんですか!?

よし!行こうか、海希。」


りっちゃんの言葉に私は頷いた。


「うん!」


私達は立ち上がり、大婆様にお礼を言った。


「大婆様、今日は私達の為に時間をさいていただき、ありがとうございました。」


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