影がいるから私がいる
「ん~、暗くなるまでには着くと思ったんだけどな~。


仕方無い…この辺りで夜を明かそうか。」


りっちゃんの言葉に私は頷いた。


「うん、そうしよ。」


私の同意を受け、りっちゃんは周りにある木々を集め始めた。

おそらく焚き火に使うつもりなんだろうな。

よし!私はこの辺の石を退して、少しでも座りやすくしよっと♪


りっちゃんは拾い集めた木々を組み上げて、火床を作り上げていた。


「海希、この辺片付けてくれてありがとな。」


りっちゃんが笑顔でお礼を言ってくれた。

私は顔を真っ赤にしながら、手をブンブン振った。


「う・ううん、これくらいの事なら任せておいてよ!」


「ああ、分かった。」


りっちゃんはそう言いながら、私の頭を撫でてくれた…りっちゃんの手は温かいなぁ…。


私がりっちゃんの手の温かさの余韻に浸ってると、りっちゃんは手早く火を起こしていた。

そして荷物の中から鍋と水、あと乾芋を出した。

乾芋っていうのは、藍那に昔からある保存食で、主に茹でたりして食べるんだ~。


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