影がいるから私がいる
「…んっ…」


私はゆっくりと片目を開けた。

空は明るく、朝を迎えていた。

私は体を起こし、体をグーっと伸ばした。


「うーん、よく寝たな~。
ほら、りっちゃんも起き…居なーい!?」


私の隣りに寝ていたはずのりっちゃんが居ないし!!

何処に行ったんだろ…?荷物は置いてあるから、そんな遠くには行ってないと思うんだけど…。

ちょっとその辺を探してみようかな…。


荷物はとりあえず置いといて、りっちゃん探索に出かけよう。


周りは相変わらず木や草が生い茂っていたけど、よく見ると草が一定方向に倒れてるんだ~。

つまり、その方向に向かっていけばりっちゃんが居る所に行けるって事だしね!

私って冴えてるな~。


草の倒れている方向に向かって歩いていると、水が流れる音がした。


「川?」


そっか!りっちゃんは水を探しに行ったんだ!

水は貴重だから、いくら有っても困らないしね。

音がする方へ歩いて行くと、急に視界がひらけた。

ポッカリと周りの木々に覆われるように、その空間はあった…小さな滝があり、その下に池が出来ていた。

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