影がいるから私がいる
私のそんな様子を察したのか、りっちゃんが話しかけてきた。


「海希、何だったら俺一人で見て来るから、ここで待ってるか?」


りっちゃんの申し出は嬉しかったが、ここに一人で居る方が嫌!


「ううん…私も一緒に行くよ。」


私の言葉にりっちゃんは少し考える仕草をしたが、付いて行く事に納得してくれたようだった。


「…分かった。ただし、俺から離れないようにしろよ。良いか?」


「うん♪」


りっちゃんの言葉に私は頷いた。

ありがとね♪りっちゃん。


私たちは階段をゆっくりと上って行き、二階に辿り着いた。

二階に部屋は一つしかなく、この家に入った時から感じた嫌な感じはその部屋から出ているというのが、直感的に解ってしまった…。


「海希、俺の後ろに居ろよ…。」


「う・うん…。」


りっちゃんの声には緊張が含まれてた…りっちゃんも感じたんだと思う…目の前の部屋の不気味さを…。


私は、ゆっくりと部屋に向かって歩くりっちゃんの後ろにピッタリと付いていた。

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