影がいるから私がいる
「止まれ!!お前達は何者だ?」


門番の言葉に、りっちゃんは懐から入場許可証を取り出した。


「私達は藍那村から来た者です。
入場許可証はこちらに…。」


門番はりっちゃんが差し出した入場許可証を受け取り、不備が無いかチェックし始めた…。


「うむ。本物の入場許可証だな。
よし!通って良いぞ!

ようこそ神留無へ!!」

門番はそう言うと、入場許可証をりっちゃんに返し、風門を開いてくれた。


私達が中に入ろうとすると、門番の一人が話しかけてきた。


「そういえば、藍那の者よ…神留無には一体何の用があり来たのだ?

藍那から神留無…決して楽な道のりではあるまい?」


門番の質問に、横に居るりっちゃんが答えた。


「国王様に会いに来ました。藍那に昔からある問題に対して、何か解決策を請う為です。」


りっちゃんの言葉に、門番は苦笑を浮かべた。


「国王様に謁見か…国王様はお忙しい方だからな…。
おそらく、謁見まで三日は掛かると思った方が良いぞ。

神留無に入ったら、まず宿を取ると良い。
その後に宮廷に行き、謁見の申し込みをした方が良いだろう。」


「はい!わざわざ教えて頂きありがとうございます。」


門番の助言に私達は深々と頭を下げ、神留無の中へ入って行った。


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