影がいるから私がいる
神留無に入った私達は、その規模と活気溢れる雰囲気に圧倒された。


「ふわ~、スゴいとこだね~…ね~、りっちゃん。」


私がりっちゃんに話しかけると、りっちゃんは口をポカンと開けて立ち尽くしていた。


か・カッワイイなぁ~♪いつもりっちゃんは格好いいんだけど、普段見せない顔とかは可愛いと思うんだよね~。
同じ人なのに不思議だなぁ~。

っと、とりあえず宿を探さないと。


「りっちゃーん!!
宿探しに行こーよー!」

その言葉でようやく気付いたりっちゃんは恥ずかしげに顔を赤らめた。


「ご・ごめん×2。
神留無の、えー、何ていうか雰囲気?
何かそんな感じのモノに圧倒されちゃってな。

うん、宿を探しに行こうか。」


「うん♪」


歩き始めた私達だが、何が何処にあるかは全く分からないので、すぐ近くにある店に入り聞く事にした。


「すいませーん、お聞きしたい事があるんですけど。」


入った先は工芸品などが並んでいた。
店内に人影は無く、私はりっちゃんと顔を見合わせて、首を傾げていた。

「はいな~。ちょいと待って~。」


他の所へ行こうかと思っていたら、店の奥から女の人の声が聞こえた。


「待たせちゃってゴメンね~。
で、何用な…!?」


「あ、宿の場所を教えてほ…!?」


りっちゃんの後ろに居た私だけど、その声から、りっちゃんがかなり驚いてる事が分かった。

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