影がいるから私がいる
三人で宮廷に行く事が決まった私達は、ゆーちゃんの身仕度が終わるのを店先で待っていた。

すると、横に居たりっちゃんが呟いた。


「まさか神留無で結華と再会するとは思ってなかったな…。」


「確かに…ビックリしたよね~。」


私も頷きながら同意した。


ふとりっちゃんの顔を見ると、何かを思い返しているみたいに顔を赤くしていた…。


何を思い返しているのかはすぐに分かった…。

さっきゆーちゃんに抱き付かれた事を思い出してるな~。


む~、りっちゃんのヴァカ~!!!


私は心の叫びと同時に、りっちゃんの足を踏んづけた!!


「いっ!!!」


私の魂の一撃を受けたりっちゃんは、踏まれた足を押さえてうずくまった。


「な、何するんだよ海希~」


「ふん!」


りっちゃんの抗議を私は無視した。

少しは反省しなさい!!

りっちゃんがまだ痛がってると、ラフな格好に着替えたゆーちゃんが店から出てきた。


「お待たせ~って…りっちゃんどうしたの?」


りっちゃんを指差しながら、不思議そうに聞いてきた。


「気にしない×2。
さ、行こうよ♪」


手を繋ぎながら歩いていく私達の後ろから、うめき声が聞こえた。


「ま・待て~…」


ゆーちゃんが心配そうに私達を交互に見たが、それはあえて気付かないフりをした。


全く…私はこうやって色んなモノに振り回される運命なのかな…
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