影がいるから私がいる
懲りない男が辿る運命
気を取り直して、私達は三人で宮廷に向かっていた。


私とゆーちゃんは手を繋いで、話しながら歩いていた。


「そういえば宮廷って遠いの?」


「ううん。少し歩けばすぐ見えてくるよ。ほら!」


ゆーちゃんが右手で前を指差したので、私はその方向を見て驚いた。

宮廷は見えた…見えたけどすごい高い所にあるんですけど!?
もしかして、あの階段を登らないといけないのかな…?


私の思ってる事が分かったのか、ゆーちゃんが明るく言ってきた。


「みーちゃん、大丈夫だよ♪
あの階段の下には、宮廷本殿に行ける転送装置があるから♪」


ゆーちゃんの説明に、私は心から安堵した。


「よ・良かった~。
えっ…じゃあ何で階段があるの?」


私の当然の疑問に、ゆーちゃんは学校の先生のように答えた。


「ん~、良い質問だね♪ま、簡単な事だよ。転送装置が設置されたのは20年前…その前までは皆歩いて本殿に行ってたみたいなんだよ。」


その答えに私は驚いた。
あ・あんなトコまで昔の人は歩いたの…?
すごいな~。


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