影がいるから私がいる
「うん、私も色々話したいしね♪
今日は泊まらせてもらうね。」

「やった~!!
ありがとね、みーちゃん♪」


よっぽど嬉しかったのか、ゆーちゃんは子供のように無邪気に喜び、私に抱き付いてきた。


うう…やっぱり大きいなぁ~


私達は受付所を出て、ゆーちゃんのお家っていうかお店に向かっていた。

私とゆーちゃんが手を繋いで歩いていたら、後ろを歩いていたりっちゃんが声をかけてきた。


「結華、ありがとな。
助かったよ。」


「ううん、気にしないで♪」


そう言ってゆーちゃんはりっちゃんの腕にしがみついた。


「ちょっ、おい結華!
離れろって!」


「りっちゃんって暖か~い♪」


引き離そうとしてるりっちゃんを気にも止めずに、ギュ~と抱き付き続けていた。


私が二人を見てると、抱き付かれながらもりっちゃんが申し訳なさそうに私に目配せをした。


私は、今までに見せた事が無い程の笑顔をりっちゃんに向けた。


りっちゃんは笑顔の裏に隠れた意味に気付いたのか慌ててゆーちゃんを引き剥がそうとしたが、意外と力が強いらしく、ゆーちゃんは平気な顔でりっちゃんの腕を掴み続けていた。


「私は先に行ってるから、お二方はごゆっくりどうぞ~♪」


私は二人に手を振りながら、歩くスピードを速めた。


むぅ~、りっちゃんめ~!!

しばらく口聞いてあげないんだからね!!!

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