影がいるから私がいる
運命を悟った時
「みーちゃん、荷物は適当にその辺に置いてね~」


謁見の受付を終えた私達は、今日の宿であるゆーちゃんのお家に来ていた。

私はゆーちゃんの部屋に、りっちゃんは向かいの部屋に泊めてもらえる事になった。


気になったんだけど、ゆーちゃんのお父さんにまだ会ってないんだよね~。

小さい頃に何度か会った事はあったけど、優しい人だったのは覚えてる…。


「ねぇ、ゆーちゃん。
ゆーちゃんのお父さんは?」


「そっか、言ってなかったね。
父さんは別の場所…っていっても神留無の中なんだけど、店を経営してるよ♪
二年前にこの店を私に任せてね」


「え~!!」


ゆーちゃんの言葉に私は驚いた…私と同い年なのに、ゆーちゃんは独り立ちしてるのか~…スゴいな~。

でも…


「寂しくないの?ゆーちゃん…?」


私が心配そうに言うと、ゆーちゃんは笑顔で手を握ってきた。


「大丈夫だよ♪私にはこーんなに優しい親友が居るから♪」


ゆーちゃんの素直な気持ちが嬉しくて、私は無意識にゆーちゃんを抱き締めていた。


ほんっとに可愛い子だなぁ~
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