明日にかける橋
明日にかける橋
もう、ずいぶん前からポツンとベンチに座ったまま、彼女は動こうとしませんでした。
(会社さぼっちゃった。具合が悪くなっただなんて、ウソまでついて・・・。)
今朝の満員電車を思い出すと、彼女はブルッと身震いをして目を閉じました。
必死になって電車に乗ろうとする人々のすさまじい顔。
(ああ、あれがいつもの私なんだわ。)
足がすくんだまま、何台も電車を見送って、どれぐらいたった事でしょう。
会社へ行く気にも、家に帰る気持ちにもなれないまま、公園のベンチに座りこんでいたのです。
カッと燃えるように照りつけていた日差しが、少しずつかげりはじめ、ムワムワと肌にまとわりつくような暑い空気につつまれても、ただじっと、彼女は座り続けているのでした。
(会社さぼっちゃった。具合が悪くなっただなんて、ウソまでついて・・・。)
今朝の満員電車を思い出すと、彼女はブルッと身震いをして目を閉じました。
必死になって電車に乗ろうとする人々のすさまじい顔。
(ああ、あれがいつもの私なんだわ。)
足がすくんだまま、何台も電車を見送って、どれぐらいたった事でしょう。
会社へ行く気にも、家に帰る気持ちにもなれないまま、公園のベンチに座りこんでいたのです。
カッと燃えるように照りつけていた日差しが、少しずつかげりはじめ、ムワムワと肌にまとわりつくような暑い空気につつまれても、ただじっと、彼女は座り続けているのでした。